さきゅのぶろぐ

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リアル感を求めている【響鬼感想】

先日、仮面ライダー響鬼全話視聴完了したので思ったことをぽちぽち書いてみた。

そうして、「リアル感」が大切だと改めて実感した。

 

キャストの演技力

仮面ライダー「新人俳優の登竜門」と呼ばれるようになった中で、細川茂樹さんというすでに知名度の高い方を主人公に起用するというチャレンジ精神がすごい。

細川さん自身も戸惑い、3度もオファーを断ったという話もある。

 

経験値の高い役者さんなので、ヒビキさんという演じるのが難しそう役でもそつなくこなせる。他の役者さんだとそうはいかずどうしても不自然になってしまう。ヒビキさんは細川さんにしかできないキャラクターだ。

 

 他のレギュラーキャストの方も年齢層が比較的高く、安定感のある演技で非常に見やすく、スっと物語に入り込めた。

 

清らかで優しい雰囲気

 

人間関係や将来への不安、そして「自分らしさ」を求める思春期の少年・明日夢を物語の中心とし、ヒビキさんと出会ったことで何かが変わっていき、悩みながらも成長していく様子がすごく良かった。

 

ライダーでは珍しく仲間内での衝突やいざこざなどもなく和やかで温かい雰囲気でストーリーが進んでいくので、心地よくて癒される。

 

「猛士」という、鬼たちとその鬼たちをサポートする人々の組織が存在しており、その組織によって鬼たちは戦うためのシフトを組まれている設定も、リアリティーがあって良い。

 

生活感のない非日常的なストーリーも良いが、現実にもありうるような日常、その生活感を丁寧に描かれている作品のほうが好きだ。

私にとって「生活感」は大事だ。要は人間らしさ。食事シーンような無くてもいいような細かい描写こそ「人間らしさ」を表すために大切なものだと思う。

 

響鬼は日常感のあるシーンがきちんと描かれている。魔化魍のことを除けばとても心が落ち着く空間で大好きだ。

 

しかし、小さな子供にはわかりずらい要素や戦闘シーンの少なさ、込められているメッセージなどからしてもかなり大人向けの作品であることには違いない。

 

ヒビキさん

主人公・ヒビキさんが良い意味で主人公らしくない。

あの年代の方にしか出せない渋さや余裕さもちろんあるが、全くおじさん臭さを感じさせず、ユーモラスで愛らしい。他のライダーとはちょっと違う。

 

クールでスタイリッシュなお兄さんに見える場面もあれば、少年のように幼く可愛らしく見える場面もある。そんな不思議で魅力溢れる素敵な人だ。

私もああいう人と偶然出会って友達になりたい。屋久島行こ。

 

(心が海のように広く、全てを包み込んでくれるような優しさがある人だったが、後半の路線変更により少し器が小さくなったように感じるのが寂しいが💧)

 

私自身も10代で人生においてまだまだ経験不足だけど、泣きそうなぐらい悩んだり自分の不甲斐なさに死にそうなほど落ち込んだり、逆に、ほんの少しのことで飛び上がるほど嬉しかったり。毎日いろんなことがあって心が追いつかず大変だ。

 

たくさんの不安を抱えながらも一歩一歩進んでいく明日夢に私自身を重ね合わせ、共感しつつ物語を見進めることができる。

 

ヒビキさんは思い悩む明日夢くんにしっかり寄り添い、ちゃんと言葉をくれる。

 

私達のような不安定な年代だからこそ心を打たれる、ヒビキさんの言葉の数々。その頼もしい背中。

それら全てが今後の人生の支えとなり、目の前を明るく照らしてくれるような、ヒビキさんたち「鬼」はそんな素晴らしい人々だと感じた。

 

リアル感

響鬼「生きることの素晴らしさ」と同時に、「生きることの大変さ」も教えてくれる、従来のライダーではあまり見られない、現実感もあり、味わい深くもある物語だ。

 

クウガ」「響鬼」はその要素を充分に含んでおり、この2つは仮面ライダーの域を超えている、と思う。

 

この2作品のようなリアリティーを追求した「仮面ライダー」をまた、見たい。

コンプラ重視のこの時代じゃ難しいだろうが、見たい。

そうすれば、懐古ばかりしてしまう今の私でも現行作品を好きになれる気がする。

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